レーザー光は拡散せずに一定方向に進む指向性持った単一波長の光線です。
レーザー治療器は、生体組織に照射したレーザー光が吸収されて熱エネルギーとなる時に起こる瞬間的な蒸発熱(蒸散作用)を治療に応用した機器です。
Nd:YAGレーザーの波長(1064nm)は水分に吸収されにくく、連続波(継続照射法)で照射すると組織内部に浸透する性質を持っています。
照射部分にのみ作用することから、痛みの少ない治療を安全にできるMI治療の代表格と言えます。
「歯を削る量をできるだけ少なく、かつ治療効果を高め、予防の意識を高めましょう」という歯科医療の概念です。
レーザー光の接触照射や非接触照射などの切り替えによって、歯肉の切除や切開、歯肉の炎症緩和、口内炎の治療、歯内治療、歯質強化(虫歯予防)など様々な治療への応用が可能です。
虫歯予防処置 | COやC1の初期虫歯はレーザー光を照射して虫歯菌を殺菌し、フッ素塗布をして自然治癒を目指します。 レーザー光には歯質を強くする働きもあり、予防効果も期待できます。 |
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シーラントの前処置 | シーラントをする部位にあらかじめレーザー光を照射して除菌することで、シーラントによる虫歯予防効果を高めます。 |
フッ素塗布 | フッ素塗布をした歯面にレーザー光を照射することで、さらなる歯質強化を目指します。 |
レーザー光の瞬間的な熱作用により、歯周病菌の温床となっている歯周ポケット内を殺菌・消毒し、歯周病の治癒を促します。
レーザー光の瞬間的な熱作用で神経を取った後の根管内を除菌・乾燥し、治療効果を高めます。
根管治療は治療後の歯根の炎症などといったトラブルを防ぐための重要な処置です。
知覚過敏のある歯の根尖部へのレーザー光の照射、または歯の中央にレーザー光を照射して知覚過敏を解消します。
根尖部・・・歯根の先端部分
口内炎にレーザー光を満遍なく照射することで痛みを取り除き粘膜の改善を促します。
治療後の接触痛はレーザー照射後すぐになくなります。
血液の凝固・止血、切開箇所の殺菌作用を持ち様々な歯科口腔外科手術で使用できます。
また、歯ぐきに沈着した黒っぽいメラニン色素の除去にも適しています。